始業5分後の休憩は、休憩なのか?
労働基準法第34条では、休憩について定められています。
ポイントをまとめると、以下の通りです。
①労働時間の長さによって、最低限必要な休憩時間が決まっている
(労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は45分、8時間を超える場合は1時間)
②労働時間の途中に与える
③原則は一斉に与える
(※労使協定による適用除外や、一定の業種に関する例外があります。)
④自由に利用させる
私が一般企業で就業中、繁忙期に応援に来ていただく派遣社員の方々と働く機会がありました。
当時の勤め先は7時間50分勤務、休憩時間は50分でした。
1時間の残業をする場合は、実労働時間が8時間50分となり、8時間を超えてしまいます。
このため、10分休憩を挟んでから残業に入ることが通例でした。
別名、お菓子モグモグタイム。
この休憩を挟むことで「あと1時間頑張ろうね~」とお互いに声掛けがあったり、
休憩後は「1時間で絶対に帰る!!」という集中した空気が生まれていました。
ある時、次のような質問が出たことがありました。
「このまま働いて、終業時間に休憩をくっつけてもいいですか?10分早く帰りたいです」
「家に帰って、早く家族のご飯を作りたいんです」
そのお気持ちは十分わかります。
残念ながら、法定の休憩を終業直前にまとめて取得して『その分早く帰る』扱いにはできません。
休憩時間は「労働時間の途中に与える」ことが必要だからです。
では、ここでタイトルに戻ります。
とても極端な例となりますが、
始業5分後に休憩時間を与えた場合は、休憩を与えたことになるでしょうか?
9:00~9:05 労働(5分)
9:05~9:50 休憩(45分)
9:50~16:00 労働(6時間10分)
「労働時間の途中に与える」ことは明記されていますが、
「労働時間●時間経過後」のように、具体的には決められていません。
では、始業5分後の休憩は、「労働時間の途中」と言えるのでしょうか。
世界を守るために必殺技を撃つなど、5分で非常に密度の高い仕事をして、
そのダメージ回復のために休憩が設定されているというケースなら、
「いや~、5分めっちゃ働いたよ!」と休憩に入るのかもしれませんね。
さて、ここで視点を変えてみます。
「休憩なしの6時間勤務で帰りたい」という労働者のご意見を聞くこともありますが、
そもそも休憩時間はなぜ必要なのでしょうか?
愛媛労働局の「休憩」に関する解説ページが参考になります。
| 労働時間が長時間になると、心身に疲れがたまり、能率も悪くなり、災害も起こりやすくなります。 そのため、労働の義務から解放され、疲労回復などに使えるよう設けられたのが休憩時間です。 【参考:愛媛労働局】 |
この趣旨を踏まえると、休憩は、ただ法律が決めているから与えるものではなく、
疲労を回復して、労働者の安全を確保するためのものと考えられるのではないでしょうか。
最近は休憩時間中の短い昼寝(パワーナップ)を推奨している学校や企業もありますね。
スマホでゲーム、同僚とマシンガントーク、1人静かに目を瞑る、資格の勉強を黙々と。
会議室でトレーニング動画を見ながら数人で集まって食後のプチ運動。
これぞ「休憩時間は自由に利用させる」だなと実感していました。
休憩は、仕事に戻るための回復の時間。
そう考えると、「何分休憩を与えたか」だけではなく、
「いつ休憩を与えるのか」ということも、少し気になってきませんか?
